Technical Column技術コラム

ハイスの肉盛り補修で長寿命化!厚盛りもできます!

2025.06.09

厚盛りOK!ハイスの肉盛り補修で長寿命化!

ハイスとは、切削工具等によく用いられる高硬度・耐摩耗性の特殊鋼で
正式名称は高速度工具鋼(High Speed Steel)、略してハイスと呼びます。

この材料を肉盛り溶接で使用することで、
金型や摩耗部品の耐久性を高め、長寿命化に繋がります。

特に厚みのある肉盛りができれば、耐摩耗としてその寿命効果はさらに高まります!

しかし、ハイスのような高硬度材は割れやすいので厚盛溶接が難しいです。

この記事ではハイスの施工事例をお伝えします。

使用材料の詳細

材質 SKD61(母材) ハイス(SKH51相当)
概要

一般的な金型用工具鋼。
炭素鋼にクロム、モリブデン、バナジウム等を添加。

炭素鋼にタングステン、モリブデン、クロム等を添加。
特徴 耐熱性、耐摩耗性に優れる。 高い硬度を持ち、耐摩耗性、靭性のバランスに優れる。
硬度 熱処理後硬度HRC50前後。 HRC62前後※溶接条件で変わる。

実際の肉盛り溶接例

肉盛りくん(PTA)を用いて、ハイスを肉盛りします。
※PTAとは粉体プラズマアーク溶接のことです。

ハイスは高炭素材であり、肉盛りで割れが発生しやすいです。
肉盛りする際は、溶接前後のまた溶接中の温度管理が重要です。


下記写真はハイスの肉盛り事例です

溶接前後.png

ハイスは硬度が約HRC62あるので非常に耐摩耗性が高いです。
耐熱性も高く、500度前後までなら硬度を落とさずに使用できます!

今回のように5mm厚でしっかり肉盛りすることで、
使っていくうちに摩耗してしまっても下地に到達しなくなり、
再補修までの期間が延び、生産効率が向上します。

また、摩耗してしまっても再度肉盛りを行うことで、繰り返し修復できます!

コスト削減&資源の有効活用が可能、というハイスの肉盛り溶接のご紹介でした。
ご希望の形状に合わせた肉盛りテストに対応しておりますので、是非一度ご相談ください。

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