Technical Column技術コラム

溶接中の温度管理はしていますか?

2025.04.10

溶接の温度管理はされていますか?

「溶接前の予熱と溶接後の後熱はやっているよ」
というすでに温度管理されている場合がほとんどかと思います。

今回は溶接前後の話ではなく
溶接中、まさにリアルタイムでの温度管理の話をお伝えします。

「そんなことできるわけ・・・」という声が聞こえてきそうですが
当社はやっています!

※ここからは「温度管理」=「温度制御」でお伝えしていきますね。

溶接中に温度制御できると、溶接肉の品質向上につながります。
割れが発生する案件も、解決するかもしれません!

当社のレーザー設備には、レーザーを照射されて溶けた溶融金属のプールの温度を拾得して
レーザー出力を自動で制御する機能が付いています。

実はこの機能、購入時のオプションとして選択すれば付いてくる便利機能ですが、
パラメータ設定の仕方が、各々企業のノウハウ☆といったところでしょうか。

とはいえ、この温度制御をいつもいつも使う訳ではありません。

では、どんな時に活用しているかというと、

  • 母材がφ30mm以下の小径の時
  • 開先形状に起伏があるような複雑形状の時
  • 角盛りなど蓄熱しやすい部位を連続施工する時
  • 平面でも施工範囲が大きく蓄熱が懸念される時

上記のような場合に活用しています。

適切なパラメータと目標温度値を設定してあげると、
人の感覚では追従できない精度で施工してくれます。

さて実際の事例をお見せします!(写真付き)

画像のテストは、

  • 溶接材料はSKH51相当
  • 母材はSKD61
  • 母材外径はφ27mm
  • 母材長さは100mm

上記の内容です。

温度制御なし 温度制御あり
温度制御なし.jpg 温度制御あり.jpg

2つの画像の違いがわかりますか?
双方、画像の左から右にグルグルと溶接肉を巻いている内容です。

【温度制御なし】の方は、3分の1地点から、蓄熱のせいで面肌が荒れていますね。
【温度制御あり】の方は、最後まで安定した様相ですね。

これが温度制御の力です!
この力で高品質に連続して施工ができます!

また下の画像は、温度制御画面です。

レーザーパワーは右軸、温度は左軸、設定した温度値を維持しようと、
出力側を上下に制御していることがわかります。

出力グラフ.jpg

実際、このときの溶融金属のプールはどのようになっているのかというと、
下画像のようなイメージです。

直上からサーモグラフィーのように観測されています。

サーモグラフィ.jpg

如何でしたか?

今回は、溶接という工法の中にちょっと踏み込んで、
「レーザーならではのメリット」を1つご紹介してみました。

肉盛り溶接に苦労している案件ありませんか?

  • あの加工品いつも溶接しにくい
  • あの職人さんしか肉盛りできない案件
  • いつもの協力会社さんが廃業しちゃって溶接できる会社ないかな?

はい、お任せください。
設備導入だけでなく当社は試作対応もしております。

お問い合わせお待ちしております。

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