予熱くんの仕組み(ヒーター本体編)
2025.07.22
金型の肉盛り溶接や焼き嵌め作業など、
現場で加熱が必要な場面に活躍するのが高温加熱用ヒーター装置「予熱くん」。
今回は、その加熱構造と設計仕様についてご紹介します。
以下は「予熱くん」の構造の一例です。
加熱ヘッドは鉄製で、内部に複数本のカートリッジヒーターが万遍なく配置されています。
加熱ヘッドサイズが小さいものだと、温度バラつきは目標温度±50度前後、
大型だと±100度前後バラつきますが、「予熱くん」は表面温度分布の精度よりも、
鍛造現場や溶接現場で使うため、「機器の頑丈さ」や650度までの「高温昇温能力」ニーズにお応えする製品です。
加熱ヘッド内部中央に温度センサ(熱電対)が内蔵されており、専用コントローラーで温度制御します。
電源は「三相200V電源」を用いますので、ヒーターの本数は3の倍数で設計します。
消費電力は、必要な加熱ヘッド温度から決めますが、9kwタイプでは30Aのブレーカー容量が必要で、
サイズが大きくなると18kwタイプやそれ以上のスペックで対応します。
「予熱くん」は、9kw30Aを1口で配線設計しており、
例えば18kwタイプを導入される場合には、30Aの電源が2口必要です。
あくまで「必要なヘッド温度が何度か」に依るのですが、これまでの実績では、
加熱ヘッドサイズ"400mm×600mm"までは9kw、それ以上のサイズのものは18kwで
製作することが多いです。
また「予熱くん」は受注生産、オーダーメイド品です。
1mm単位で加熱ヘッドの縦・横・厚みサイズのカスタマイズが可能です。
ヒーター管を内部に配置している箇所は強度設計上、20mm厚以上が標準になりますが、
その他、溝を入れて軽量化をおこなったり、
ワークの形状に沿うように3次元加工をすることもできます。
如何でしたか?
「予熱くん」、とても簡単な構造ですけれども、
カスタマイズできるのはやはり魅力的ですよね。
その分、仕様の決めにおける複雑さはありますが、
本当にユーザー様に求められる製品をミニマムコストでご提供できます。
ただお客様によく「このワークの上面は、何分で何℃になりますか?」と聞かれますが、
これはなかなか、明確なご回答は簡単ではありませんから、
当社では「デモ機で試して頂く」ことをお勧めしています。
デモ機での昇温結果を元に、ご購入機の仕様を詰めますので、
安心してご導入いただけますよ!
予熱くんの製品ページはこちらをクリック↓
金型予熱装置「予熱くん」
是非気軽に一度ご相談ください。