半導体レーザーとは?~原理、長所をご紹介~
2026.05.08
現在、レーザーには「固体レーザー」「気体レーザー」「ファイバレーザー」
「半導体レーザー」 などの種別が存在し、それぞれ特徴が異なります。
当社では2種波長帯(IR及びBLUE)の「半導体レーザー」システムを所有しています。
このコラムではレーザー肉盛り溶接で、半導体レーザーを選択することのメリットを、各種レーザーの発振原理と長所を合わせて説明します。
半導体レーザー(当社所有)

発振原理
半導体レーザーは、半導体の中で光が増幅されてレーザーを出力する装置です。
活性層と呼ばれる層がN型(-)とP型(+)の半導体に挟まれています。
ここに電気を流すとN側から電子が移動、P側の正孔(電子の穴)と再結合して、
エネルギーが放出します。
放出した光はその後、半導体の両端の端にある鏡で何度も往復します。
その間に同じ波長の光がどんどん増えていき、
ある程度の強さになるまでは活性層内で繰り返し反射され、
光が十分に増幅して一定以上の強さになると、活性層からレーザー発振が起きます。
長所
- 他のレーザーと比べて電気変換効率が良い(省エネ)
- 装置がコンパクト
- ビーム形状が均一(トップ・ハット型)でクラッディング向き
- 元素の組み合わせで発振波長の選択が可能なため、様々な発振波長が可能
- 金属への吸収が良いので、銅やアルミにも溶接できる
ファイバーレーザー

発振原理
光ファイバーの中で光を増幅して、レーザーを出力する装置です。
発振用光ファイバーの中にイッテルビウム、エルビウムなどの希土類元素が混ぜられてい
ます。ここにレーザーダイオード(LD)の外部の光が光ファイバーのコア部分に効率的に
おくりこまれることで励起され、これが連続的に起こることで光が増幅されます。
さらに装置の両端に、FBGという反射構造があり全反射ミラーと部分反射ミラーが配置さ
れ、光が共振器内で反射を繰り返すことで増幅され、部分反射の方からレーザー光として
出力されます。
長所
- 高密度に集光可能なので、小スポット径の精密溶接が可能
- 高出力化が可能で深溶け込みや、厚板溶接、切断が得意
CO2レーザー

発振原理
CO2を媒体に赤外線レーザーを出力する装置です。
ガス管に高電圧をかけると中で放電(プラズマ)がおきることで窒素が励起されます。
次に励起された窒素がCO2分子にエネルギーを渡してCO2分子が振動励起状態になります。
CO2が元の状態に戻るとき10.6㎛(遠赤外線)の光を出して両端の鏡で増幅させることで
レーザが出力されます。
長所
- 10.6㎛の波長は非鉄金属への吸収が良いので、アクリル、木材などの溶接、切断が得意
ビームプロファイルについて
ビームプロファイルとは、レーザービームの断面における光強度の空間分布を示す特性です。
発振機の構造により、素の状態で半導体レーザーはトップハットビームになりやすく、
ファイバーレーザーとCO2レーザーはガウシアンビームになります。
トップハットビーム
放射強度は所定のエリアにわたって一定になります。
溶け込みが均一で希釈率が安定しています。

ガウシアンビーム
中心からの距離が増加するにつれて放射強度が減少します。
深溶け込みし中心のエネルギーが高いです。

いかがでしたか?
レーザーは用途によって、最適な選択肢があるのがわかります。
当社のレーザー肉盛りシステム『肉盛りくん』では、均一な溶け込みや熱影響部の安定が
求められるため、半導体レーザーを採用しており、用途に合わせて赤色と青色の波長を使用
してロボットで安定制御しながら肉盛り溶接が可能です。
是非一度お問い合わせをお待ちしております!